印鑑の知識 by 上野印房手彫り印鑑職人上野雄一のブログ

印影の見方

印影の良し悪し。
よほどのマニアでもないかぎり分かりません。
しかし、パソコンで簡単に作った印影くらいはなんとなく分かると思います。

まず「印鑑」で検索して出てくる印章店を上から3、4店、印影(書体見本)だけを見比べてください。
みんな同じように感じるのではないでしょうか。
例えばこんなふうに
パソコンの印影
画一的というか、フォントっぽいというか・・・

それはパソコンで簡単に作った印影だからです。
たぶんお店に聞けばそんなことないって言うと思いますが、
検索で上位に来ているからには、かなりの注文をさばかなくてはなりませんので、
一本一本にそんなに手を掛けられるはずありません。

私が手で彫った印影と比べると、どうですか?
オーソドックスな篆書です。
小原正子
なんか違うでしょ。
やわらかさというか、切れ味というか。

それから篆書でも少し筆っぽい感じにも出来ます。
直江山城守
さらにこんなことも、こんなことも出来ますよ。
久米宏 田場裕也
面白いと思いませんか?

上の印影は全て篆書という書体です。
馴染みがないと思いますが、美しい書体です。
少しだけ篆書について勉強してみましょう。

篆書は紀元前300年位の書体です。

↓それが書としてこのように発展しました。
小篆趙之謙「説文解字序文の一部」

綺麗ですね。
篆書はもともとこんな字で、それを印鑑にしているのです。
そのため象形文字のような素朴な表現から、洗練された書としての表現まで可能です。

我々作り手はこの変遷や様々な表現をある程度は理解なくてはなりませんが、
多くのはんこ屋さんは篆書についてあまり理解していません。
彫刻機の普及で勉強しなくてもハンコが作れるようになったからです。
ですので、ここまで読んでいただいただけたお客様は、 その辺のはんこ屋さんよりも篆書に触れていただけたと思います。
後はたくさんの印影を見れば、自分の好みも分かってきます。
実印・銀行印だと、ほぼ一生物になります。
色々見比べて、気に入った印鑑をお作り下さい。

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